導入メリット 主な機能 Web制作ノウハウ 料金プラン よくある質問 ご利用ガイド お問い合わせ
リリース通知を受け取る
忙しいのに儲からない?Web制作で工数管理が重要な理由
業務効率化

忙しいのに儲からない?
Web制作で工数管理が重要な理由

「案件は途切れないのに、月末になると利益が思ったより残らない」——フリーランスや小規模制作会社でよく聞かれる悩みです。その原因のひとつが、「実際にどの案件に何時間使ったか」が見えていないことです。工数管理の基本と、それが見積・利益にどうつながるかを整理します。

Web制作における「工数」とは?

「工数(こうすう)」とは、ある作業を完了するために必要な人の作業時間のことです。製造業や建設業でよく使われる概念ですが、Web制作でも同じように考えることができます。

たとえば「ページデザイン3時間」「コーディング5時間」「修正対応2時間」——これらをすべて合計したものが、1案件あたりの総工数です。

工数は「時間」で管理するのが基本です。「このデザインに何時間かかるか」を把握することが、見積の根拠にもなり、案件の採算を考える出発点になります。

なぜ「忙しい=儲かっている」ではないのか

仕事が絶えず入っている状態は、ビジネスが順調に見えます。しかし、「忙しさ」と「利益」は比例しません。

たとえば、30万円で受注した案件に60時間かけてしまった場合と、同じ30万円の案件に25時間で完成させた場合では、同じ売上でも時間あたりの対価がまったく異なります。

さらに、修正対応や打ち合わせが予想より長引いた場合、その時間は「忙しさ」に追加されますが、報酬には反映されません。案件数が多くなるほど、こうした「見えないコスト」が積み重なっていきます。

「売上は増えているのに利益が感じられない」という状況は、単価の低い仕事に必要以上の時間をかけていることが多く、工数の実態が見えていないために気づけないケースがほとんどです。

工数管理で把握したい3つの数字

工数管理の目的は、3つの数字を案件ごとに比較できるようにすることです。

見積工数

見積書を作る時点で「この案件に何時間かかるか」を作業ごとに積み上げた数字です。デザイン、コーディング、ディレクション、打ち合わせ、修正対応、テスト・公開など、作業を細かく洗い出すほど精度が高まります。

見積もり時に作業を洗い出す考え方については、Web制作の見積書で忘れやすい項目5選もあわせてご覧ください。

実績工数

案件を進める中で実際にかかった時間の合計です。「〇〇の作業に△時間使った」という記録を積み上げて集計します。見積工数は「予定」、実績工数は「結果」です。

この実績工数を記録する習慣がないと、「なんとなく時間がかかった」という感覚だけが残り、次回の見積に活かせません。

見積と実績の差

見積工数と実績工数を比べたときの差分です。実績が見積を上回った場合、その差分だけ想定外の時間を使ったことになります。

この差がどの作業で発生しているかを把握することで、次回の見積の調整、作業の進め方の改善、スコープ(仕事の範囲)の明確化など、具体的な判断材料になります。
IMPROVEMENT CYCLE
見積
制作
工数記録
見積との差を確認
次回の見積
↑ このサイクルを繰り返す

工数を記録するたびに、次の見積の根拠が積み上がっていきます。

工数が増えやすいWeb制作の仕事

Web制作には、見積時には予測しにくいが実際には多くの時間を要する作業があります。以下は特に工数が膨らみやすい作業です。
修正対応
クライアントからの修正要望は回数・内容ともに見積時点では読めません。「細かい修正のつもりが方向性の変更になった」というケースも多い。
打ち合わせ
追加の打ち合わせや要件確認のやり取りは、1回あたりの時間が短くても積み重なります。準備・議事録作成の時間も含めると想定以上になることも。
コンテンツ待ち
クライアントからのテキスト・画像提供が遅れると、その間の確認対応・差し込み作業・スケジュール調整が発生します。待機中の管理コストは見落とされがちです。
テスト・公開
ブラウザ・デバイス確認、フォームテスト、サーバー設定、DNS切り替えなど、公開前後の作業は案件の複雑さによって大きく変わります。
仕様変更
途中でページ追加・構成変更・機能追加が発生すると、設計から作り直しになることがあります。見積時のスコープ定義が曖昧だと工数増加につながりやすい。

まず「どの案件に何時間使ったか」を知る

工数管理を始める最初のステップは、シンプルに「今日、どの案件に何時間使ったか」を記録することです。

最初から完璧な工数管理システムを作ろうとする必要はありません。メモ帳でも、スプレッドシートでも、記録の習慣を作ることが先です。

記録すべき最低限の情報は次の3点です。

① 案件名(またはID)
どの案件の作業かを識別できる情報。

② 作業内容
「デザイン」「コーディング」「打ち合わせ」など大まかなカテゴリで十分です。

③ 作業時間
実際に使った時間。30分単位など、記録しやすい粒度で構いません。

この記録が1ヶ月積み上がると、「自分がどの案件・どの作業にどれだけ時間を使っているか」の全体像が見えてきます。

工数を記録すると次の見積が変わる

実績工数が積み上がってくると、過去データをもとに次回の見積を組み立てられるようになります。

「前回の同規模のLP制作は結局〇時間かかった」「修正対応は見積の2倍かかっていた」という事実があれば、次回は根拠のある時間数で見積書を作れます。

逆に、工数の記録がなければ次回も同じ感覚見積を繰り返すことになります。見積の精度は経験ではなく、記録によって上がります。

なお、見積書に盛り込むべき作業項目の洗い出し方については、Web制作の見積書で忘れやすい項目5選で解説しています。「見積段階での作業の洗い出し(STEP11)」と「実際の工数記録(この記事)」は、セットで考えることが重要です。

工数管理を細かくしすぎない

工数管理を始めようとすると、「すべての作業を細かく記録しなければ」と考えがちです。しかし、精度を上げようとするほど記録自体が負担になり、続かなくなります。

工数管理の目的は「正確な記録」ではなく、「判断材料を持つこと」です。

目安として、以下の粒度で十分です。
  • 作業カテゴリは大分類(デザイン・コーディング・打ち合わせ・修正・その他)で記録
  • 時間は30分または1時間単位でよい
  • 1日の終わりに振り返って記録するだけでも十分
  • 完璧な記録より、継続できる記録を優先する
まずは「だいたいの実態」を把握することが目的です。工数記録が習慣化されてから、必要に応じて粒度を細かくしていく順序がおすすめです。

案件ごとに何時間使っているかを把握する具体的な方法については、Web制作の工数見積もり方法|作業時間・人日から見積もる考え方を解説もあわせてご覧ください。

SALUTOで案件と工数をつなげて管理

SALUTOでは、案件管理と工数記録をつなげて管理できます。
案件管理
案件ごとに工数を紐づけて管理。「この案件に合計何時間使ったか」を案件単位で確認できます。
タスク管理
案件内のタスクごとに進捗を管理。作業の抜け漏れを防ぎながら工数の記録対象を整理できます。
工数トラッカー
案件・タスクに紐づけて実績工数を記録。日々の作業時間を積み上げて集計できます。
収支シミュレーション
案件別に売上・工数・時間あたり対価を確認できます。案件の採算性を把握するための参考情報として活用できます。
「どの案件に何時間使ったか」が案件情報と紐づいて蓄積されることで、見積と実績の差を確認する習慣を作りやすくなります。

まとめ

Web制作における工数管理の要点を振り返ります。
  • 「忙しい」と「利益が出ている」は同じではない。工数が実態を左右します
  • 把握したい3つの数字は「見積工数」「実績工数」「その差」
  • 修正対応・打ち合わせ・仕様変更は特に工数が膨らみやすい作業
  • まず「今日、どの案件に何時間使ったか」を記録することから始める
  • 実績工数の積み上げが次回の見積精度につながる
  • 完璧な記録より、継続できる記録を優先する
工数管理は「利益を増やすための魔法」ではありませんが、「なぜ利益が残らないか」を考えるための判断材料を作る手段です。まずは今日から、自分がどの案件に何時間使っているかを記録してみてください。

この記事が役に立ったらシェアをお願いします

Web制作の業務基盤 SALUTO

案件・工数・採算を、ひとつの基盤で把握する。

工数トラッカーと案件別収支シミュレーションで、見積と実績の差を確認できる環境を。
SALUTOはWeb制作者のためのオールインワン業務管理システムです。